日本の貧困問題は,日本の経済規模が足りないことが原因なのか

2023/07/21

📂経済学の違和感 GDP 違和感Lv.3 経済規模 経済成長の必要性 貧困問題

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  • 2023/07下旬 初稿公開

日本の貧困問題とGDP成長率の関係

日本が 貧富の格差 に苦しむようになったことは,
皆様ご存知の通りです。

そして,その解決の前提条件として,
多くの政治家やエコノミストの方が,
GDP成長率を高めるための方策
日夜議論しています。

この記事は,
日本の貧困問題とGDP成長率の関係について
筆者の見解を述べたものです。

結論を先に知りたい方へ

この記事の主張を先に確認したい方は,
次の開閉ボックスを開いてください。

この記事で主張すること
  • 日本の貧困問題は,
    GDPの不足が原因であるとは思えない。
  • GDPの成長率を注視しても,
    非富裕層の生活が改善しているかどうかは分からない。
  • 日本は今後,GDPを伸ばすことは難しい。
  • 今後日本がGDPを伸ばしても,
    日本の貧困問題は解決に向かわない。
  • 日本経済は,GDP成長を伴うことなく
    改善することができる。
  • 要するに,今後の日本において,
    経済成長は難しい上に必要ない
  • 今後の日本経済にとって,GDPは,
    「減りすぎなければよい」程度の価値しかない。

それでは,本論に入ります。

日本はもはや,貧困問題を抱える国

日本の市場は,多様な商品とサービスで溢れています。
供給量も十分です。
そのことに異論がある人はいないでしょう。

にもかかわらず,日本は貧富の格差に
苦しむようになってきました。

生活保護受給者数は増え続け,🛎️ 短期的な増減はあるにしろ,
長期的には増加の一途と考えてよいでしょう。

政府が景気は回復しつつあると主張している時期でも,
国民は実感がないと文句を言うようになりました。

これはもはや,貧困問題 と言って差し支えありません。

貧困問題を経済成長で
解決しようとすることの奇怪さ

この問題を,既存の経済学に沿って
GDPの拡大で解決しようと考えるのは,
この上なく的外れだと思います。

ここ30年ほどの日本経済の不調は,
日本の経済規模の不足が原因であるとは思えません。

小さい島国でありながら,
世界3位の経済規模なのですから。🛎️ 2022年頃の時点で。
意外にも,ドイツに抜かれそうに
なっていますが…

これでもなお経済規模が
小さすぎるなんてことはないはずです。

日本の貧困問題の原因は経済規模の過小さではないけれども,
経済規模を大きくすれば貧困問題は改善される?

その主張は,あまりにも奇妙すぎるのではありませんか。

日本は経済規模の拡大余地が小さくなっている

また,経済規模を拡大すること自体も,
現代の日本ではかなり難しくなっているようです。

そのことは,ここ30年ほどで,
嫌と言うほど思い知らされたはずです。

事実,どんなに経済対策を施しても,
GDPは長期的にはほとんど横這いで,
国の借金を増やすばかりでした。

意図しない結果がこれだけ続いているのですから,
いい加減,別の角度からのアプローチを
考えるところではないでしょうか。

今後の日本経済におけるGDPの立場

筆者は,現代の日本経済におけるGDPの立場を,
次のように見ています。

  • GDPの成長率を注視していても,
    非富裕層の生活が改善しているかどうかは分からない。
  • 日本は今後,GDPを伸ばすのは難しい。
  • 日本は今後,GDPを伸ばそうとするべきではない。
  • 今後日本がGDPを伸ばしても,
    日本の貧困問題は解決に向かわない。
  • 日本経済は,GDP成長を伴うことなく
    改善することができる。

要するに,今後の日本においては,
経済成長は難しい上に必要ない ということですね。

筆者はGDP全否定論者ではありませんが,
日本の貧困問題にGDPの規模は
関係ないと考えているので,
このような評価になるのも仕方がありません。

今の日本にとって,GDPは,
「減りすぎなければいい」程度の指標でしかないと
思っています。

経済成長に頼ることなく貧困問題を解決する方法については,
姉妹サイト<世界経済蘇生秘鑰>で詳しく述べています。
気になる方はぜひご覧ください。

まとめ

改めて,この記事の主張を以下に示します。

この記事で主張したこと
  • 日本の貧困問題は,
    GDPの不足が原因であるとは思えない。
  • GDPの成長率を注視しても,
    非富裕層の生活が改善しているかどうかは分からない。
  • 日本は今後,GDPを伸ばすことは難しい。
  • 今後日本がGDPを伸ばしても,
    日本の貧困問題は解決に向かわない。
  • 日本経済は,GDP成長を伴うことなく
    改善することができる。
  • 要するに,今後の日本において,
    経済成長は難しい上に必要ない
  • 今後の日本経済にとって,GDPは,
    「減りすぎなければよい」程度の価値しかない。

読者様の思考の助けになる部分が
少しでもあれば幸いです。

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筆者について


「累積黒字の考え方」と題する
経済学試論の創始者。
並びに,上記試論を紹介するサイト
世界経済蘇生秘鑰>の創設者。

既存の経済学に
非常に詳しいわけではなく,
大学教養課程レベルの
マクロ・ミクロ経済学を
ひと通り学んだ程度と自己評価。

しかし,従来の経済学に
どっぷり浸かっていなかったからこそ,
従来の経済学と全く視点の異なる
上記試論が出てきたのではないかと
思っている。

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