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- 2023/07下旬 初稿公開
日本の貧困問題とGDP成長率の関係
日本が 貧富の格差 に苦しむようになったことは,
皆様ご存知の通りです。
そして,その解決の前提条件として,
多くの政治家やエコノミストの方が,
GDP成長率を高めるための方策を
日夜議論しています。
この記事は,
日本の貧困問題とGDP成長率の関係について
筆者の見解を述べたものです。
結論を先に知りたい方へ
この記事の主張を先に確認したい方は,
次の開閉ボックスを開いてください。
この記事で主張すること
- 日本の貧困問題は,
GDPの不足が原因であるとは思えない。 - GDPの成長率を注視しても,
非富裕層の生活が改善しているかどうかは分からない。 - 日本は今後,GDPを伸ばすことは難しい。
- 今後日本がGDPを伸ばしても,
日本の貧困問題は解決に向かわない。 - 日本経済は,GDP成長を伴うことなく
改善することができる。 - 要するに,今後の日本において,
経済成長は難しい上に必要ない。 - 今後の日本経済にとって,GDPは,
「減りすぎなければよい」程度の価値しかない。
それでは,本論に入ります。
日本はもはや,貧困問題を抱える国
日本の市場は,多様な商品とサービスで溢れています。
供給量も十分です。
そのことに異論がある人はいないでしょう。
にもかかわらず,日本は貧富の格差に
苦しむようになってきました。
生活保護受給者数は増え続け,🛎️
短期的な増減はあるにしろ,
長期的には増加の一途と考えてよいでしょう。
政府が景気は回復しつつあると主張している時期でも,
国民は実感がないと文句を言うようになりました。
これはもはや,貧困問題 と言って差し支えありません。
貧困問題を経済成長で
解決しようとすることの奇怪さ
この問題を,既存の経済学に沿って
GDPの拡大で解決しようと考えるのは,
この上なく的外れだと思います。
ここ30年ほどの日本経済の不調は,
日本の経済規模の不足が原因であるとは思えません。
小さい島国でありながら,
世界3位の経済規模なのですから。🛎️
2022年頃の時点で。
意外にも,ドイツに抜かれそうに
なっていますが…
これでもなお経済規模が
小さすぎるなんてことはないはずです。
日本の貧困問題の原因は経済規模の過小さではないけれども,
経済規模を大きくすれば貧困問題は改善される?
その主張は,あまりにも奇妙すぎるのではありませんか。
日本は経済規模の拡大余地が小さくなっている
また,経済規模を拡大すること自体も,
現代の日本ではかなり難しくなっているようです。
そのことは,ここ30年ほどで,
嫌と言うほど思い知らされたはずです。
事実,どんなに経済対策を施しても,
GDPは長期的にはほとんど横這いで,
国の借金を増やすばかりでした。
意図しない結果がこれだけ続いているのですから,
いい加減,別の角度からのアプローチを
考えるところではないでしょうか。
今後の日本経済におけるGDPの立場
筆者は,現代の日本経済におけるGDPの立場を,
次のように見ています。
- GDPの成長率を注視していても,
非富裕層の生活が改善しているかどうかは分からない。 - 日本は今後,GDPを伸ばすのは難しい。
- 日本は今後,GDPを伸ばそうとするべきではない。
- 今後日本がGDPを伸ばしても,
日本の貧困問題は解決に向かわない。 - 日本経済は,GDP成長を伴うことなく
改善することができる。
要するに,今後の日本においては,
経済成長は難しい上に必要ない ということですね。
筆者はGDP全否定論者ではありませんが,
日本の貧困問題にGDPの規模は
関係ないと考えているので,
このような評価になるのも仕方がありません。
今の日本にとって,GDPは,
「減りすぎなければいい」程度の指標でしかないと
思っています。
経済成長に頼ることなく貧困問題を解決する方法については,
姉妹サイト<世界経済蘇生秘鑰>で詳しく述べています。
気になる方はぜひご覧ください。
まとめ
改めて,この記事の主張を以下に示します。
この記事で主張したこと
- 日本の貧困問題は,
GDPの不足が原因であるとは思えない。 - GDPの成長率を注視しても,
非富裕層の生活が改善しているかどうかは分からない。 - 日本は今後,GDPを伸ばすことは難しい。
- 今後日本がGDPを伸ばしても,
日本の貧困問題は解決に向かわない。 - 日本経済は,GDP成長を伴うことなく
改善することができる。 - 要するに,今後の日本において,
経済成長は難しい上に必要ない。 - 今後の日本経済にとって,GDPは,
「減りすぎなければよい」程度の価値しかない。
読者様の思考の助けになる部分が
少しでもあれば幸いです。