記事情報 🛎️
独創性・確信度・効力は
自己評価です。
(違和感は評価というより感覚)
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更新履歴は,
重要だと思う変更のみ
記します。
- 2023/07下旬 初稿公開
多くの人が薄々気付いている手詰まり感
日本の経済政策や経済論争を見ていると,
多くの人は手詰まり感を薄々感じつつ,
しかし打開する手立てが見えずもがいているように
感じられます。
景気対策で政府支出を増やそうにも,
政府は借金まみれ。
政府の借金を減らすために税収を増やそうにも,
経営や生活に余裕のない企業や家庭ばかり。
この記事は,多くの人が持っていながら
蓋をしてしまっていると思われる手詰まり感を
掘り起こして顕在化し,
目を逸らせなくするためのものです。
すなわち,この記事は問題提起のためのものであり,
何らかの結論を提示する記事ではないことにご留意ください。🛎️
改善策が知りたい方は,
後述の姉妹サイトをご覧ください。
内容を先に知りたい方へ
この記事の内容を先に確認したい方は,
次の開閉ボックスを開いてください。
この記事で行う問題提起の内容
- 政府が繰り出す経済政策の多くは,
「あちらを立てればこちらが立たず」になる。 - そのことには多くの人が薄々気付いていながら,
他に手立てがないので目をつぶってしまっている。
- 薄々気付いているその感覚から目を逸らさず
直視するのが改善の第一歩。 - 昔と今で何が違うのかがはっきりすれば,
根本的な改善策が見えてくる。
それでは,本論に入ります。
金銭的な支援は,
誰も損せずにというわけにはいかない
基本的に,誰かがお金を得る時は,
必ず他の誰かが同額のお金を失います。
これは,貨幣経済で大昔から採用されている基本ルールです。
そのため,政府が繰り出す経済政策の多くは,
「あちらを立てればこちらが立たず」
という問題を抱えることになります。
つまり,次のようなことです。
あちらを立てればこちらが立たず
- 国民を助けるために,国が給付金を出せば,
国民の生活が助かった分だけ,
国の財政が苦しくなります。 - 国民を助けるために,国が最低賃金を引き上げれば,
国民の生活が助かった分だけ,
各企業の経営が苦しくなります。 - 国が財政事情を改善するため,
消費税率を引き上げれば,
国の財政が助かった分だけ,
国民の生活が苦しくなります。
要するに,どこかを金銭的に助ければ,
必ず他のどこかが苦しくなります。
ならばどうしようもないじゃないか ,となりますね。
その感覚は正しいと思います。
こんな政策をどれだけ組み合わせて繰り出しても,
根本的な解決に繋がるとは思えません。
この素直な感覚と現実から目を逸らさず,
正面から向き合うことが,
この状況を打破するための第一歩です。
バランスをとるだけではどうにもならない
「あちらを立てればこちらが立たず」
の現実から逃れようとして,
結局,皆が何とかやっていけるように
バランスをとることが大事なのだ
といった,安易かつ曖昧な結論で済ませてはいけません。
既に,多くの国民の生活は苦しく,
多くの企業の経営も苦しく,
国の財政も苦しいのです。
その状況を解消することなく
小手先でバランスを取ろうとしても,
何も解決しません。
どんな形であろうと,国民を支援すれば
支援した額だけ企業や国家財政が苦しくなり,
財政再建のために税金を集めれば,
その税金の額だけ企業や国民が苦しくなります。
バランスなどという言葉で煙に巻こうとしても,
結局その厳然たる事実から逃れられないのです。
以上をまとめますと,
金銭的に苦しい経済主体どうしで
どのようにお金を動かしても,
犠牲にした部分がもっと苦しくなるだけで,
根本的な改善策にはならない
ということです。
それが薄々分かっていながら,
他に有効な手立てもないので,
せめてどうバランスをとるかを考えるしかないというのが
現在の政府および経済界の実情だと思います。
昔との違いを考えるのが,解決への糸口になる
しかし,バブル崩壊以前の日本は,
ここまでひどい状態ではなかったはずです。
昔と今で,何がそんなに違うのか。
その違いがはっきりすれば,
根本的な改善策も見えてくるでしょう。
姉妹サイト<世界経済蘇生秘鑰>では,
日本経済において昔と比べて
大きく変化したと思われる点を指摘し,
それに基づいて改善の方針を示します。
気になる方はぜひそちらもご覧ください。
- お急ぎの方は,理論の中核部分を解説した 概説ページ がおすすめです。🛎️
短い文書ではありませんが,極めて平易です。
標準的な高校生くらいの知識と読解力でも
すんなり大筋を理解できると思います。
まとめ
改めて,この記事で行った問題提起の内容を
以下に示します。
この記事で行った問題提起の内容
- 政府が繰り出す経済政策の多くは,
「あちらを立てればこちらが立たず」になる。 - そのことには多くの人が薄々気付いていながら,
他に手立てがないので目をつぶってしまっている。
- 薄々気付いているその感覚から目を逸らさず
直視するのが改善の第一歩。 - 昔と今で何が違うのかがはっきりすれば,
根本的な改善策が見えてくる。
読者様の思考の刺激になる部分が
少しでもあれば幸いです。