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- 2023/07下旬 初稿公開
既存の経済学に,社会問題への配慮は見られない
既存のマクロ経済学は,成長途上の経済を
主たる分析対象としているためか,
経済成長を重視します。
そこに,環境問題・資源問題・食料問題等への
配慮は見られません。
経済成長を実現するにはどうしたらよいか,
そればっかりです。
普通に考えて,経済成長は,
上に挙げた社会問題を悪化させるはずです。
にもかかわらず,それらの問題を無視した経済学を
いつまで採用し続けるのでしょうか。
この記事は,現代社会に従来の経済学が
いかに適合していないかを訴えるものです。
結論を先に知りたい方へ
この記事の主張を先に確認したい方は,
次の開閉ボックスを開いてください。
この記事で主張すること
- 今後の日本経済にとって重要なのは,
どれだけぜいたくに暮らせるかではなく,
経済的に安心して暮らせるかである。 - 経済成長は,資源問題や環境問題を悪化させる。
これらの問題を考慮しない経済学は,
もはや用をなさない。 - 今後の日本および世界は,
資源や食料の無駄遣いが少ない社会を
目指す必要がある。
その方向性を理論的に支持できる
経済学の開発が求められる。
それでは,本論に入ります。
今後の日本経済にとって重要なのは,生活の安心感
これからの日本経済にとって重要なのは,
どれだけぜいたくに暮らせるか(どれだけGDPを増やせるか)
ではありません。
経済的に安心して暮らせるかどうか,
すなわち,各世帯や各企業にとって,
それなりの収入や貯蓄残高を維持するのが
比較的容易な社会であるかどうかが重要なのです。
そして,そのような社会を実現するために,
際限のない経済成長は必要ないと
筆者は考えています。
今後の日本は,省資源・環境配慮型の社会を
目指すべき
むしろ,これからの日本は,
地球資源の枯渇や世界的な人口増加による食料難に備え,
資源や食料の無駄遣いが少ない社会を
目指さなければならないはずです。
これまでは,経済成長が国民の生活を楽にすると
信じ込まれてきたため,
国民に大量消費を促す方針が是とされてきました。
その方針が資源問題や環境問題等を深刻化させることは
承知の上でです。
これからの時代,これらの問題を考慮しない経済学は,
もはや用をなさないのではないでしょうか。
経済成長にこだわらなければ,採るべき方針は簡単
前述の通り,筆者は,国民の生活を改善するために
経済成長は必要ないと考えています。
つまり,そもそも
国民に大量消費を促す必要はない わけです。
その考えが正しいとしたら,採るべき方針は簡単です。
経済成長以外の手段で国民の生活を安定させた上で,
国民が資源の浪費や環境汚染を伴う活動を
なるべく控えたくなるような政策を
繰り出していけばよいのですから。
それによってGDPが多少小さくなっても大丈夫です。
以上のような認識が広く常識として定着した時,
省資源・環境配慮型社会の実現を目指すという意味において,
ようやくスタートラインに立てたと言えるでしょう。
経済成長に頼ることなく
国民の生活を安定させるには
もちろん,ここに述べた方針の前提として,
経済成長に頼ることなく国民の生活を
安定させる手段が必要になります。
姉妹サイト<世界経済蘇生秘鑰>では,
その手段を導く理論について
詳しく述べていますので,
気になる方はぜひ覗いてみてください。🛎️
理論と言っても,
全然難しくはありません。
- お急ぎの方は,理論の中核部分を解説した 概説ページ がおすすめです。
まとめ
改めて,この記事の主張を以下に示します。
この記事で主張したこと
- 今後の日本経済にとって重要なのは,
どれだけぜいたくに暮らせるかではなく,
経済的に安心して暮らせるかである。 - 経済成長は,資源問題や環境問題を悪化させる。
これらの問題を考慮しない経済学は,
もはや用をなさない。 - 今後の日本および世界は,
資源や食料の無駄遣いが少ない社会を
目指す必要がある。
その方向性を理論的に支持できる
経済学の開発が求められる。
読者様の思考の助けになる部分が
少しでもあれば幸いです。