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- 2023/09上旬 初稿公開 🛎️ ウクライナ戦争まっただ中。
プーチン打倒に立ち上がれないロシア国民を
どう見るか
ご存知のように,2022年 2 月に始まった
ロシアによるウクライナ全土侵略戦争は,
2023年 9 月になっても続いており,
まだまだ終わりが見えません。
そんな中,この期に及んで
プーチン政権を倒そうとする動きを見せないロシア国民を
強く批判する意見をよく耳にします。
一方,言論弾圧の中でロシア国民が動けないのは当然だと
理解を示す声も少なからずあります。
この記事では,その論争を一歩前に進めた上で,
ロシア国外からできそうな手立てについて考えます。
結論を先に知りたい方へ
なお,この記事の主張を先に確認したい方は,
次の開閉ボックスを開いてください。
この記事で主張すること
- この問題は,
ロシア国民個人に対する見方と,
ロシア国家全体に対する見方を
分けて考えた方が良い。 - 過酷な言論弾圧下で行動に移せないロシア国民の
一人ひとりを批判することはできない。 - 一方で,ロシア全体としての自浄作用の弱さを
嘆く声が出るのはもっともであり,
行動を求めたくなる気持ちも分かる。
- ロシア国民が政権打倒に立ち上がるなら,
大勢が一斉に立ち上がる必要がある。🛎️ 少しずつ立ち上がっても,
少しずつ確実に鎮圧されるだけ。 - ロシア国民に,立ち上がるための準備を進めるよう
呼びかける手はあるかもしれない。🛎️ 少なくとも,プーチンに対して
プレッシャーにはなるはずです。
それでは,本論に入ります。
ロシア国民に対して思うこと
今のロシアで政府批判の声を上げるのはリスクが大きい
これまで見聞きした情報を総合すると,
ウクライナ侵攻開始後のロシアは,
言論の弾圧がどんどん厳しくなっているそうです。
政府批判やウクライナ戦争反対のコメントを
SNSに投稿したら監獄行き,
というのも全然大げさではありません。
素晴らしい行動ができない人を非難してはいけない
そんな環境下でも,自分の信念を表明し,
実際に監獄行きになるロシア国民もいると聞きます。
そのような話を聞いて,どう思いますか?
これだけの思想統制と言論弾圧を受けながら,
我々の常識とそう変わらない考えを持ち,
しかもそれを主張できる人がいたら,
称賛したくなりませんか?
筆者なら絶賛しますね。
筆者には絶対無理ですもの。
逮捕こわいですから。
堂々と主張できるかどうか以前に,
徹底された思想統制の中で,
正常な思考を形成し堅持できる自信すらありません。
きっと,似たような感想を持つ人は多いはずです。
しかし,人間とは不思議なもので,
絶賛されるような行動ができない人を
激しく非難してしまったりするのですね。
選挙でプーチンを選び,
プーチンの暴走を止めないロシア人にも
責任があると。
中には,ロシア国民もプーチンと同罪だなんて言う人までいます。
落ち着いてください。
絶賛されるような行動は,
できないのが普通 なのです。
普通の人を非難してはいけません。
ましてやプーチンと同罪なんて,
冷静さを欠いた感情論でしかありません。
組織全体としては,自浄作用を求めたいところではある
ロシアのような思想統制下では,
洗脳に負けてロシア・プーチンを
善だと思ってしまうのは仕方ない面もあります。
洗脳に負けず,現在のロシア・プーチンを
悪だと判断したとしても,
ロシアの言論弾圧下では
何もできないと諦めるのが普通でしょう。
ただ,個人としてはそれが普通であるとしても,
「普通」を超えた行動ができる人が
全然出てこないことを問題視するのは,
不当ではないと思います。
例として,企業の内部告発について考えてみます。
ある悪徳業者において,
多くの社員が悪事を手伝わされているとします。
社員はどのように行動すべきでしょうか。
正論を言うなら,内部告発して悪事を世間に露見させ,
その悪事を止めるべきとなるでしょうね。
でも,普通はできないと思います。
社内での人間関係はカオスになるでしょうし,
職を失って家族を路頭に迷わせるリスクもあります。
それでも正義と公益のために
行動できない社員はけしからんと叱りつけられるほど,
筆者は聖人ではありません。
できるのが素晴らしいのであって,
できないのが普通であると,筆者は考えています。
しかし,個々人に対する見方はそれでよいとしても,
会社全体,あるいは社会全体に対しては
話が違ってきます。
内部告発ができる社員が1人も出てこない会社や,
そのような会社ばかりの社会については,
自浄作用の欠落を問題視するべきでしょう。
今のロシアも似たような状況です。
反政府的な活動ができない個人を責めるべきではない。
ただ,反政府的な活動を計画実行するロシア国民が
全くいないのだとしたら,それは何とかしてほしい。
全員に要求できるようなことではないが,
勇気ある行動ができる人が
ある程度は出てきてほしい。
そのような感覚でいるのが妥当なところかと思います。
立ち上がるなら,一斉に立ち上がらないとダメ
ロシア国内で政権打倒に立ち上がる人が
出てきてほしいと述べましたが,
立ち上がりたいと望んでいる人は,
ロシア国内にも少なからずいると思います。
ロシア国民も全員洗脳されてはいない
ロシア国民は皆自国の行いを正当化していると
思い込んでいる日本人は多いと思います。
確かに,ロシア政府のプロパガンダが
骨の髄まで染み込んだロシア国民は多いですが,
ほぼ全員というわけでもないようです。
筆者は時々,YouTube で
ロシア国内での街角インタビュー動画を観るのですが,
若い人を中心に,ロシアの行いを過ちだと認識している
ロシア国民は少なくないことが分かります。
もっとも,その人たちのほとんどは,
思い思いのタイミングで立ち上がったりせず,
現時点で静観しているわけですが,
それは正しいと思います。
少しずつ立ち上がっても,
少しずつ確実に鎮圧されてしまうからです。
立ち上がるなら,大勢が一斉に立ち上がって,
治安警察の処理能力を大幅に超える必要があります。
しかし,現在のロシアでは,
言論弾圧および密告の奨励に加えて
集会の制限なども厳しくなっていると聞きます。🛎️
どこで聞いたかうろ覚えですが,
大きく間違ってはいないでしょう。
立ち上がるタイミングについて,
他の人と相談することも難しいし,
他の人と協力して準備をすることも難しいわけです。
ロシア国民が立ち上がり,政権打倒に迫れるかどうかは,
次の2点にかかっていると思います。
- 立ち上がるタイミングを合わせられるかどうか。
- 個々人が十分に準備をできるかどうか。
ロシア国民に対して言いたいこと
ロシア国民にこう呼びかけてみたい
ロシア国外に住む者としては,
ロシア国内での反政府運動は,
ロシア国民に期待して待つしかないと
思う人が多いかもしれません。
しかし,ロシア国外から,
ロシア国民に行動を促す方法はあると思います。🛎️
ロシア国内で反政府運動を行うのが
実際には不可能であるとしても,
プーチンに対してプレッシャーになるはずです。
後でまた触れます。
筆者が西側の要人なら,
ロシア国民に対して次のように呼びかけることを
検討してみたいです。
ロシア国民への呼びかけ(案)
親愛なるロシア国民各位
貴方は今,ウクライナで起きていることについて
どう思っているでしょうか。
その問いに対する答えは,ロシア国内では
二極化されていると言ってもよいでしょう。
片や,ウクライナはロシアの一部である,
ウクライナ国内に住むロシア人を救うために
必要であるなどの理由で,
ロシアの行為は正当であるとする人々。
片や,ロシアの行為はウクライナに対する
不当侵略であると認識し,
自国の行いを深く恥じている人々。
私は,後者のタイプの人々が
ロシア国内に相当数いることを知っています。
そして今,私は後者の人々に向けて呼びかけています。
その中で,政権打倒のために動こうとされている方は,
どれだけいらっしゃるでしょうか。
きっと,多くはないであろうと思います。
それを責めるつもりはありません。
戦争反対を表明するだけで投獄されるほどの弾圧の中,
それを覚悟してでも行動を起こせなどと叱責するほど,
私は聖人ではありません。
しかし,この戦争は,
プーチンを止めなければ終わりません。
プーチンを止めれば終わるとは限りませんが,
プーチンを止めなければ終わりません。
たとえ,ウクライナ軍が武力で全土を奪還したとしても,
プーチンが健在である限り,
プーチンが戦争をやめると言わなければ
終わらないのです。
しかし,国外にいる我々がプーチンを直接止めることは,
不可能ではないにしろ難しいと言わざるをえません。
どうしても,ロシア国民に立ち上がっていただく必要があります。
立ち上がるのはまだ早い
ただ,今はまだ立ち上がらない方が良いと思います。
少なくとも,個人や少人数で立ち上がるのは
控えるべきでしょう。
少しずつ立ち上がっても,
少しずつ確実に鎮圧されるだけですから。
立ち上がるなら,大勢が一斉に立ち上がって,
治安警察の処理能力を大幅に超える必要があります。
今は,準備 をしてください。
立ち上がる準備をです。
チャンスは来ます。
例えば,戦況がウクライナ軍に大きく傾けば,
プーチン政権は必ず揺らぎます。
機をうかがってください。
何食わぬ顔で,
プーチンを支持するふりをしながら。
必ずしも,独自の計画を立てる必要はありません。
大きな反政府運動,自由化運動が起きた場合に,
すぐに協力できるように準備するのです。
ウクライナ戦争やロシア国内の
情勢に大きな変化があれば,
プーチン政権を打倒する本格的な動きが出る可能性があります。
例えば,次のような情勢変化が起きた場合,
政権打倒のきっかけになりうると考えられます。
- ロシア国内で 追加動員 が発表された場合。
- ロシア軍が 核兵器 を使用した場合。
- ロシア軍が原子力発電所を破壊した場合。
- ウクライナ軍が大戦果を上げた場合。🛎️
ウクライナ軍が
・大都市を奪還した
・アゾフ海沿岸に到達した
・クリミア大橋を攻撃して
当分通行不能な状態にした
など。 - 武装勢力などによるクーデターが発生した場合。🛎️
プリゴジンみたいなのは駄目です。
プリゴジンは,ウクライナ侵略の正当性を全否定しながら,
バフムートで多くのウクライナ兵を殺すなど,
言行不一致の支離滅裂な人間です。
もっとまともな人を支持してください。 - ロシアの国内選挙で,
大規模な不正が行われたとしか
思えない結果が出た場合。
ロシア国内で,大きな集団を密かに形成し,
独自の計画を持っている団体があるなら,
上に挙げたような大きな節目のタイミングで
行動を開始するとよいでしょう。
そうすることで,同じ志を持つ他の団体と
タイミングが合いやすくなります。
特に,総動員発令と核兵器使用は,
決定的な節目になりうると思います。
そして,志はあるけれども,
そのような団体に所属していない人は,
大きな反戦運動が起きたら参加するという
心づもりでいるとよいでしょう。
その時に備えて,準備をしてください。
そして,ロシア・ウクライナ情勢を
よく見ておいてください。
個人でできる準備
自身の考えを他者と共有することで,
密告される危険性があると考えるなら,
誰にも言わずに準備をしてください。
個人でも,できる準備は色々考えられます。
- 武器・防具になる物を含め,
その時に持って出る物を揃えてまとめておく。🛎️ 防災バッグの類をベースにするのも
一案です。 - 協力してくれそうな人への連絡先を
リストアップする。 - 戦争賛成派の人に,この戦争の不当さ,非道さを
手早く理解してもらうための説明を考える。 - 様々な状況を想定し,
自分なりに練習やイメージトレーニングを行っておく。🛎️ 反戦運動実行時に役に立つ特技を
身につけられればなおよいです。
おそらく他にもあるでしょう。
後悔だけはないように
政権打倒を目指す大きな運動があったのに,
自身が行動の準備をしなかったために参加できず,
結果としてその運動が失敗したら,
貴方は後悔するでしょう。
そんなことがないように,
今から準備してください。
最終的に勇気が出ず,行動できなかったとしても,
それは仕方ありません。
そのことを責める資格は誰にもありません。🛎️
たとえ行動できる人であっても,
自分にできるからと言って,
できない人を責めるのは違うと思います。
しかし,行動したかったのに準備ができていなかったという
後悔だけはないようにしていただきたいのです。
ロシアの未来はプーチン打倒にある
このままでは,ロシアに未来はありません。
ロシアが戦争に勝っても負けても,
ウクライナ人だけでなく,多くの国の人々が,
この戦争におけるロシアの一連の蛮行を
未来永劫許さないからです。
ただし,ロシア国民が,
自らの責任においてプーチンを止められれば,
ロシアに対する怒りの度合いは確実に下がります。
ロシアに未来があるとすれば,
その道しかありません。
ロシア国民の数%でも,上に述べたように
立ち上がる準備をしておけば,ロシアは変われます。
プーチンの暴虐を止めることができます。
今,ウクライナで起きていることに対し,
曲がりなりにも責任を取ることができます 。
もしもロシア国民が,自らの責任でプーチンを倒し,
西側諸国と融和を図る政権を樹立できたなら,
損害賠償や経済制裁をはじめとするあらゆる方面で,
ロシアに対し寛容な対処をすることも可能となるでしょう。
治安警察の方へ
ロシア国内で活動する治安警察の方へも
申し上げたいことがあります。
貴方達は,反政府的な行動およびその兆候を
取り締まる任務を命じられているでしょう。
その任務に,納得がいかないまま従事している方も
いらっしゃることと推察します。
今は,その任務を何食わぬ顔で続けてください。
しかし,大規模な反政府運動が起きた際には,
任務を遂行するふりをしながら,
傍観者 に回ってください。
その時の行動についても,
できるだけ事前に考えておきましょう。
- 運動の参加者を取り逃がしたふりをする。
- 運動の参加者に武器を奪われたふりをする。
- 失言で運動の参加者に
情報を与えてしまったふりをする。 - どうしたらよいか分からず
右往左往するふりをする。
もちろん,チャンスがあれば,
陰に陽に,反政府運動を手助けしてあげてください。
貴方達も,治安警察である前に
誇りあるロシア国民です。
ロシア国民に内在する良心と勇気,
知恵と行動力に心から期待しています。
- 若干誇張した表現も所々にありますが,
呼びかけの内容としてはその方が良いと
考えてのことです。
この呼びかけ案を気に入っていただけるなら…
上記の呼びかけ案を気に入っていただけたなら,
どうぞご自由にお使いください。
実際の呼びかけ,各国語への翻訳,内容のアレンジ等,
全て自由です。
ただし,使用した結果については
筆者は責任を取れないので悪しからず。
呼びかけの効果
上記の呼びかけ案は,直接的には,
ロシアが政変により生まれ変わる可能性を
高めることが主眼です。
しかし,そこまでは至らなくとも,
ロシア国民に対して具体的なアドバイスを贈ることで,
(プーチン政権から見て)政変の現実味はかなり高まるでしょう。
プーチンにとっては
強烈なプレッシャー になると思うのですが,
いかがでしょうか。
呼びかけ案の中で触れた総動員令や核使用についても,
ある程度の抑止効果が期待できると思います。
呼びかけるのに適した時期
この呼びかけは,ロシア国民が,
このまま戦い続けても勝てないと思っているほど
効果が高まると思います。
現在は2023年 9 月上旬ですが,
ウクライナ軍がロシア軍の防衛線を
攻めあぐねているように見えますので,
今呼びかけるのは微妙かもしれません。
今後,戦況がウクライナ側に傾いたり,
決定的な兵器がウクライナ側に供与されたりして,
ロシア国民が敗北を強く予感する空気になったら,
そのタイミングで呼びかけると良い気がします。
まとめ
以上,プーチンに対して大きな反政府運動を起こせない
ロシア国民について考えてみました。
改めて,この記事の主張を以下に示します。
この記事で主張したこと
- この問題は,
ロシア国民個人に対する見方と,
ロシア国家全体に対する見方を
分けて考えた方が良い。 - 過酷な言論弾圧下で行動に移せないロシア国民の
一人ひとりを批判することはできない。 - 一方で,ロシア全体としての自浄作用の弱さを
嘆く声が出るのはもっともであり,
行動を求めたくなる気持ちも分かる。
- ロシア国民が政権打倒に立ち上がるなら,
大勢が一斉に立ち上がる必要がある。🛎️ 少しずつ立ち上がっても,
少しずつ確実に鎮圧されるだけ。 - ロシア国民に,立ち上がるための準備を進めるよう
呼びかける手はあるかもしれない。🛎️ 少なくとも,プーチンに対して
プレッシャーにはなるはずです。
読者様の思考の助けになる部分が
少しでもあれば幸いです。