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記します。
ウクライナ軍は今年中の大規模領土奪還を
諦めていないのか
2023年 6 月上旬にウクライナ軍が
反転攻勢を始めてから2か月が経過しました。
今でもまだ,ウクライナ軍の領土奪還は
あまり進んでいません。
それに対する専門家の評価は
依然として分かれていますが,
日に日に悲観論が増えてきています。
しかし,両軍の内情や作戦を
正確に推し測る術がない以上,
悲観も楽観もせず待つのが正しいでしょう。
ちなみに筆者は,ウクライナ軍は今年無理をせず,
反転攻勢を来年に持ち越してもよいと思っている方です。🛎️
来年には戦闘機供与が
期待できますので。
ウクライナ軍が今年中に再度攻勢を強めるとしたら,
個人的には期待3割,不安7割という感じです。
現在,戦闘はやや下火になっているようにも見えますが,
ウクライナ軍が攻勢を強めないまま
泥濘期に突入することはあるのでしょうか。
この記事ではそのあたりについて
考えたいと思います。🛎️
推測ばかりの記事ですが,
なるべく合理性のある推測を
重ねたつもりです。
結論を先に知りたい方へ
この記事の主張を先に確認したい方は,
次の開閉ボックスを開いてください。
この記事で主張すること
- ウクライナ軍は,今年のうちに
再度攻勢を強めるつもりでいると思われる。 - ウクライナ軍が戦車部隊の
大規模投入を控えているのは,
後方で戦車部隊をできるだけ訓練したいと
考えているためと考えるとしっくりくる。 - 後方部隊をぎりぎりまで訓練する方針なら,
訓練の終了時期までは攻めないと
決めていてもおかしくない。
その場合,領土奪還は
泥濘期の少し前の時期に全てを懸けることになる。 - ウクライナ軍がロシア軍に対して
激しく行っている兵站攻撃は,
効果が長く続くものではない。
ロシア軍の兵站が乱れたら,
時間を置かず攻めないと意味がない。 - 天気予報を見ていると,
ウクライナ軍が再度攻勢を強めるタイミングが
見えてくるかもしれない。 - アゾフ海への到達は大きな作戦目標だが,
到達できなければ無意味というわけではない。🛎️ ウクライナ軍がロシア軍の防衛線に深く食い込めれば,
ロシア軍の士気を大きく下げることができ,
来年以降の戦いに繋がります。
それでは,本論に入ります。
今はまだ領土奪還をするなという命令が出ている?
ウクライナ軍は,相変わらず大攻勢を控えている
筆者は,ウクライナ側が日々発表している
ロシア兵の損失数(おそらく死者数)を
戦闘の激しさの指標としてチェックしています。🛎️
ウクライナ軍の戦闘が
上手くいったかの指標ではなく。
その推移ですが,6月上旬に高水準な日が
6日ほど続いた後は,
反転攻勢開始前より少し高い程度に落ち着き,
そのまま現在に至ります。🛎️
突発的に数値が跳ね上がる日もありましたが,
長続きしていません。
つまり,ウクライナ軍は,
反転攻勢開始直後に大攻勢をかけてみて,
ロシア軍が頑強に抵抗してくることが判明した後は,
大規模な攻撃をしていないように感じられるわけです。
攻撃可能な場所も攻撃していないように見える
一方で,ウクライナ軍は兵站攻撃に力を入れ続け,
ロシア軍の砲撃がかなり弱まった
地域もあると聞いています。
それにしては,ウクライナ軍の奪還地域は
あまり増えていません。
それ以前に,ロシア兵の損失数の推移を見るに,
領土奪還のための激しい攻撃をしていないようです。
すなわち,現在のウクライナ軍は,
攻撃可能な場所があっても攻撃を控えているように
感じられるのです。
筆者の勝手な憶測ですが,
今はまだ領土奪還を進めるなと
命令が出ているのではないかと思っています。🛎️
もちろん,条件が非常に良くなった場所は
例外になると思いますが。
バフムート攻防戦でも似たようなケースがあった
昨年12月から今年5月にかけて,
ロシア側の軍勢 🛎️
主に民間軍事会社ワグネル。
が東部バフムートを奪取しました。
その時期の後半は,ロシア側の軍勢がバフムート周辺から
バフムート市街地に兵をかき集めて投入しているという
分析が多かったと記憶しています。
そして,それにしては,
手薄になったはずの周辺地域をウクライナ軍が
奪還しようとしないのを不思議に思っていました。
完全に憶測ですが,これは,
「まだ土地の奪還はするな」という
命令が出ていたと考えればしっくりきます。🛎️
・泥濘の中で敵陣地を攻めるのは悪手
・ロシア側の無理攻めを誘いたい
といった判断があったのでは,と考えています。
状況がすごく似ているわけではありませんが,
今回の反転攻勢における南部ザポリージャ戦線でも,
似たような命令が出ていても
不思議はないと思っています。
攻撃する時も歩兵や工兵が主力になっている
現在,ウクライナ軍にとって,
地雷除去が大きな課題となっているのは
周知の通りです。
従って,地雷除去を目的として
ロシア軍支配地域に侵入し,
小規模な攻撃をすることは多々あるわけですが,
その際主力にしているのは歩兵や工兵だそうです。
つまり,現在のウクライナ軍による攻撃には,
戦車があまり使われていないと思われるわけです。
このことからも,ウクライナ軍がまだ多数の戦車を
後方に控えさせているのは間違いないと考えられます。🛎️
まさか,戦車がもうほとんど
残っていないわけではないでしょうし。
では,多数残っていると思われる戦車部隊は,
今どうしているのでしょうか。
これは,後方地域で訓練しているという予想が
最もありそうだと思います。
後方に待機している戦車部隊を
ぎりぎりまで訓練したいと考えるのは自然
ウクライナ軍は,訓練不足を指摘されている
西側からの軍事支援には,
武器支援以外に訓練支援があると聞きます。
特に,西側戦車の供与を受ける際に,
NATO 型の戦い方を学ぶために
ウクライナ軍の多くの旅団が
西欧諸国で訓練を受けたと広く報道されています。
ただ,現時点でその効果は
十分に現れていないとの見方が一般的です。
主な理由として,訓練期間の不足が指摘されています。
ウクライナ軍としては,貴重な戦車部隊を,
熟練度が低いせいで急速に失うわけにはいきません。
ならば,後方に待機している機甲部隊を
できる限り訓練したいと考えるのは
自然だと思います。
領土奪還は,秋の泥濘期に間に合いさえすればよい
ウクライナ軍にしてみれば,
今年の反転攻勢の中で,
領土奪還が進む時期がいつ来るかは
重要ではありません。
領土奪還が進む時期が
7月であろうと9月であろうと,
大した違いはないはずです。
重要なのは,泥濘期に入ってしまった時点で
どの程度領土が奪還できているかです。
だとすれば,領土奪還については
泥濘期の少し前の時期に全てを懸けることにして,
後方待機中の戦車部隊をぎりぎりの時期まで訓練しようと
ウクライナ軍が考えるのは,至極真っ当だと思います。🛎️
全部筆者の推測であることにご注意を。
もっとも,ロシア軍が簡単に瓦解するなら話は早いので,
ウクライナ軍は,反転攻勢開始直後(6月上旬頃)に
ロシア軍の防衛線を激しく攻めました。
しかし,ロシア軍が簡単に瓦解しないことが分かったので,
そこで明らかに戦闘のペースを落としています。
その時点で上記の方針,
すなわち戦車部隊をぎりぎりまで訓練する方針に
切り替えていた可能性もあると思います。
そして,そのつもりでいるなら,
訓練終了の時期を定め,
それに合わせて訓練の内容と教程を策定するでしょう。
だとすると,現在のウクライナ軍が,
訓練終了の時期までは攻めないと決めていたとしても,
全然不思議なことではないと思います。
ウクライナ軍が力を入れる兵站攻撃の意味
ウクライナ軍は相変わらず,
というより8月に入ってますます
兵站攻撃に力を入れるようになった印象があります。
一般に,兵站攻撃の効果や狙いを大まかに分類するなら,
次の通りかと思います。
- 敵国を物資不足に陥らせる。
- 敵国が持つ物資を戦場に届けさせない。
ウクライナ軍がロシアに対して
行っている兵站攻撃の意味は,
明らかに後者でしょう。
前者を実現しようと思ったら,
ロシア領内への大規模攻撃が必要になりますが,
ウクライナにそんな余裕がないことは明らかですから。
そして,「戦場に物資を届けさせない」を
目的とする兵站攻撃は,
効果が来年まで続くことはないと思われます。
となると,やはりウクライナ軍は,少なくとも現時点では
今年のうちに再度攻勢を強めるつもりでいると
考えられるのではないでしょうか。🛎️
と言うより,今年攻めなかったら
ちぐはぐだと思います。
どこかで方針を転換する
可能性はありますが。
泥濘期の少し前の時期に
大規模攻勢をかける構えか
ここまでで述べた状況を整理します。
- ウクライナ軍による粘り強い後方攻撃で,
領土奪還が見込める土地も生じていそうなものだが,
ウクライナ軍は大規模に攻めていない。 - ウクライナ軍としては,できるだけ早い時期に
領土奪還を進めたいのではなく,
泥濘期に間に合いさえすればよい。 - ウクライナ軍が自軍を
ぎりぎりまで訓練したいと考えるのは合理的。
その場合,訓練終了の時期までは攻めないと
決めていてもおかしくない。 - ウクライナ軍がますます力を入れつつある
ロシア軍の兵站攻撃は,
来年まで効果が続くものではないはず。
これらの要素を総合すると,ウクライナ軍は,
泥濘期の少し前に大攻勢をかけるために
準備を進めているというのが,
最も妥当な予想ではないでしょうか。
つまり,領土奪還が見込める地域が生じても,
特別に許可しない限り今は攻めるなと
命令が出ているのではないかと思うのです。
泥濘期に入っても攻勢を続ける可能性は低そう
今年のウクライナ軍の反転攻勢は
秋の泥濘期が事実上の締め切りだとの見方が大勢ですが,
筆者もそう思います。
ウクライナ軍は,前回の冬から春にかけての
バフムート攻防戦で,
ロシア側の軍勢が手薄になっていそうな地域でも
なかなか戦線を押し戻さなかった印象があります。
そのことから,ウクライナ軍は,
泥濘期に支配地域を広げるのは悪手だと
結論づけているのではないかと思っています。
もっとも,ここ数か月の間に,
泥濘期の影響を大きく緩和する方法を確立していれば,
上記の判断を変えている可能性もあります。
そしてその場合,
それはかなり大きな隠し玉になりえます。
そう考えると期待したくはなりますが,
確率としては低いでしょう。
攻勢再強化の時期を予想するなら,
天気予報はヒントになりそう
ウクライナでの戦闘は,雨が続くと,
足元のぬかるみが問題になるかもしれません。
できれば晴れか曇りが続く時期に
攻勢を強めたいと考えていると思います。
ですから,天気予報で,
晴れか曇りの日が続くと予想される期間が出てきたら,
その期間の初日付近が,
攻勢を強める日として有力だと考えています。
天気予報による予想なので,
攻勢強化の直前にしか予想できないですが。
なお,秋の泥濘期が迫ってきていることを考えると,
天候の良い期間を見送って
次を待つことが難しくなってきます。
ウクライナ軍がどのあたりの時期までを
「まだ泥濘期に入っていないであろう時期」と
見ているかにもよりますが,
8月下旬以降で天候の良い期間があれば,
もう討って出るのではないでしょうか。🛎️
もっと早い時期になる
可能性もあります。
🛎️
昨年は,ウクライナ軍が
東部クレミンナの手前まで到達した
10月上旬には,既にかなりの程度
地面がぬかるんでいた記憶があります。
悪天候時を狙うメリットもある?
悪天候だとお互いに
航空戦力の活動が控えめになるため,
ウクライナ軍から見ると
ロシア側の航空優勢による悪影響が
緩和されるとも聞いています。
もしも,悪天候による地上作戦への悪影響が
さほどでもないと判断しているなら,
むしろ悪天候時を狙う可能性も
あるのでしょうか?
いずれにしても,ウクライナ軍が
天気の変わり目を狙って
大規模な地上作戦を始めそうな
予感はあるのですがどうなるでしょうか。
秋の泥濘期は毎年あるとは限らない?
※2023/10下旬追記
秋の泥濘期は,長雨が原因とされています。
しかし,2023/09下旬に気づいたのですが,
実はウクライナには,
秋に雨量が多くなる傾向はないらしい のです。
■ 参考リンク ■
ドニプロにおける近年の月別降水量推移(気象庁)
上記のリンクを見ると分かるように,
月別降水量の平年値では,
秋に降水量が多い傾向はありません。
また,秋に降水量が非常に少ない年は
決して珍しくないことも分かります。
ここでは,ウクライナ軍が
進軍に最も力を入れていると思われる南部戦線に近い
1地点についてのみリンクを示しましたが,
他の地点についても似たような傾向でした。
細かい分析は割愛しますが,要するに,
車両の通行に支障が出るほどの重度の泥濘期が
毎年必ず発生するかは怪しいし,
地面の泥濘化の程度は年によって
相当大きな差がありそう
ということです。
それゆえ,秋に重度の泥濘期が必ず来ることを前提に
今後の展開予想をするのは妥当でないと
思うようになりました。🛎️
春の泥濘期は,雪解けも原因に加わるので
高確率で発生すると思います。
「海が見たい作戦」ではあるけれども
アゾフ海に到達できなければ無意味,ではない
ウクライナ軍が南部ザポリージャで行っている反攻作戦は,
「海が見たい作戦」と呼ばれているらしいですね。
要するに,ウクライナ軍がザポリージャ州を南下して
アゾフ海に到達するのが勝利条件であると。
なかなか洒落たネーミングで,
不謹慎にも笑ってしまいます。
確かに,よく言われている通り,
アゾフ海に到達することの戦術的意義は大きいです。🛎️
よく言われている通りなので
理由は割愛します。
ただし,個人的には,
海が見られなければ無意味というわけでもないと
思っています。
例えば,ウクライナ軍が今年のうちに,
アゾフ海までの道のりの半分程度しか
進軍できなかったとしても,
ロシア軍に与える心理的影響は大きいと思うのです。
ロシア軍の心の支えを折れるかどうかが重要
下記の記事で述べたことですが,
今回の反転攻勢の開始時点で,
ウクライナ軍はまだ,ロシア軍が本気で構築した
防衛線を攻め破ったことがないと
考えてよいでしょう。🛎️
昨年のハルキウ州電撃奪還は
ロシア軍の攻撃偏重と
防衛陣地構築に対する怠慢によるもの,
ヘルソン市奪還は補給寸断が
上手くいった事例と認識しています。
参考記事:
ウクライナ反転攻勢,開始後1か月半の経過と戦況
そして,そのことが,
ロシア軍にとって大きな心の拠り所になっていることは
間違いありません。
その心の支えを折るために,
ウクライナ軍が多少なりともロシア軍の防衛線を
突破できるかどうかが重要なのです。
反転攻勢開始当初,
数日間にわたるウクライナ軍の大攻勢で
ロシア軍が簡単に瓦解しなかった時点で,
ウクライナ軍が今年中にこの戦争に勝てる可能性は
ほぼなくなりました。
つまり,どの道戦争は来年以降まで続くと思われますので,
来年にどう繋げるかの重要度が上がっています。
もちろん,今年のうちにアゾフ海に到達できれば
言うことはありません。🛎️
早い時期にクリミア半島を
孤立化できますので。
しかし,そこまでは至らなくとも,
ウクライナ軍がロシア軍の防衛線に深く食い込めるようなら,
ロシア軍は大きな心の拠り所を1つ失うと言えます。
本気で陣地を構築しても守り切れないとなれば,
ロシア軍の士気に大きな下落圧力が生じるに
違いありません。
そうなれば,ウクライナ軍としては
来年に繋がる大きな戦果と言えるでしょう。
海が見たい作戦は,海が見られるかどうかの
1か0かではありません。
ウクライナ軍には,できるだけ深く
ロシア軍の防衛線を突破して,
しっかり来年以降に繋げてほしいと思います。🛎️
もちろん,それと引き換えに
戦力の大半を失うようなことは
避けるべきだと思いますが。
広大な地雷原の中で戦車に使い道はあるのだろうか
ウクライナ軍が後方に多くの戦車を
待機させているのは間違いないと思いますが,
どう使うつもりなのでしょうか。
どうやら今年のうちに再度大攻勢を
かける気満々のウクライナ軍に対して,
筆者が抱いている最大の疑問がこれです。
よく言われているように,ウクライナ軍は,
ロシア軍が至る所に構築した地雷原に
手を焼いています。
地雷原の地雷を機械的に処理しようとしても
上手くいかなかったため,
工兵による手作業で処理する方針に
切り替えたとも聞きます。
詳しいことは分かりませんが,要するに,
ウクライナ軍は戦車等で地雷原を突破できないと
いうことですよね。
それだと,後方待機中の戦車を投入すると言っても,
使いどころがないように感じられてしまうのです。
目の前に広がる地雷原に入るのは工兵。
工兵が地雷を手作業で解除したら,
その土地に戦車が入れるようになる。
しかし,その先にはまた地雷原が広がっている。
この状況下では,
戦車が活躍する余地が非常に小さい気がするのですが,
違うのでしょうか。🛎️
その先に地雷原がない土地まで
到達したら別でしょうが,
そのような土地がどれだけあるかも疑問です。
もちろん,確保した支配地の防衛には
大いに使えると思います。
しかし,戦車がほとんど
防衛線突破の足しにならないとしたら,
ウクライナ軍はいよいよ戦力不足ではないかと
思ってしまいます。
この懸念自体が的外れならよいのですが,
そうでないなら,ウクライナ軍には
何か策が必要になります。
策があるから攻める気なのか,
策はないけれど退くに退けないのか。
ウクライナ軍にとって最悪のシナリオは,
持てる戦車部隊をほぼ全て投入して攻めたが,
少ししか支配地を広げられなかった
というものでしょう。
それで戦車部隊の大部分を失ったら,
来年以降の反転攻勢も
期待できなくなってしまいます。
攻めるにしろ控えるにしろ,
最悪のシナリオを招かないよう,
冷静な判断がなされることを望んでいます。
まとめ
改めて,この記事の主張を以下に示します。
この記事で主張したこと
- ウクライナ軍は,今年のうちに
再度攻勢を強めるつもりでいると思われる。 - ウクライナ軍が戦車部隊の
大規模投入を控えているのは,
後方で戦車部隊をできるだけ訓練したいと
考えているためと考えるとしっくりくる。 - 後方部隊をぎりぎりまで訓練する方針なら,
訓練の終了時期までは攻めないと
決めていてもおかしくない。
その場合,領土奪還は
泥濘期の少し前の時期に全てを懸けることになる。 - ウクライナ軍がロシア軍に対して
激しく行っている兵站攻撃は,
効果が長く続くものではない。
ロシア軍の兵站が乱れたら,
時間を置かず攻めないと意味がない。 - 天気予報を見ていると,
ウクライナ軍が再度攻勢を強めるタイミングが
見えてくるかもしれない。 - アゾフ海への到達は大きな作戦目標だが,
到達できなければ無意味というわけではない。🛎️ ウクライナ軍がロシア軍の防衛線に深く食い込めれば,
ロシア軍の士気を大きく下げることができ,
来年以降の戦いに繋がります。
筆者は,どちらかと言うと航空優勢が
ロシア側にある状況で反転攻勢を続けることに
あまり賛同していません。
しかし,ウクライナ軍がこれだけ
兵站攻撃を頑張っている以上,
今年のうちに攻めるのでしょう。
攻めるのであればぜひとも,
ウクライナ軍が筆者の知らない部分で勝算を持っていて,
見事に勝ってくれることを祈るしかありません。