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- カテゴリー開設時期: 2023/07下旬
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- 2023/07下旬 初稿公開
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ここは,当ブログの特設記事カテゴリー
【経済学の違和感】のトップページです。
概要を先に知りたい方へ
当カテゴリーの概要を先に確認したい方は,
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この記事カテゴリーの概要
- 経済学ほど,一般的な感覚と対立する学問は
なかなかない。 - 学問は,一般的な感覚が正しくないと考えるなら,
理論的に明確に否定するのが責任。
現在の経済学は,その責任を果たせているとは言いがたい。 - 経済学に詳しい人ほど,経済学の常識に囚われて
素直な一般人の感覚を忘れていることが
多いように見受けられる。 - 経済学は一度,経済学を知らない素人の感覚が
本当に間違っているのかどうか,
一から検討し直してみる必要がある。
以下,読者様へのメッセージです。
貴方は,既存の経済学に満足していますか
ここをご覧になっている方は,おそらく,
昨今の経済の動向を興味を持って見守っている方や,
経済学をある程度学んだ経験がある方が多いことでしょう。
そんな貴方に,突然ですが,お尋ねしたいことがあります。
貴方は,現在世界中で広く通用している経済学に,
満足していますか。
日本で深刻化する貧困問題に対して
有効な手立てを示せない経済学に,
不満はありませんか。
経済学を学んだ際に得た常識を脇に置いて,
素人感覚で考えた時,
経済学に強い違和感を覚えることはありませんか。
筆者は昔,大学教養課程レベルの
マクロ経済学やミクロ経済学をひと通り学びましたが,
特にマクロ経済学について,
そこで通用する常識と一般的な感覚との違いに
首をひねり続けたものです。
経済や金銭に対する一般的な感覚
筆者の主観も多分に混じりますが,
多くの人の経済や金銭に対する一般的な感覚は
次のようなものだと思います。
- 大量消費は環境問題,資源問題,食料問題を
悪化させるので,控えるべきだ。 - お金を奪い合う社会より,
お金を譲り合う社会の方がうまくいく。 - 各世帯が使えるお金の量は,
その世帯の所得と貯蓄残高,借金残高などによって
判断される。 - 将来に備えて,お金はしっかり貯めるべきだ。
しかし,標準的な経済学では,
これらの感覚はことごとく否定されます。
経済や金銭に対する経済学の常識
筆者が学んだ限りでは,
標準的な経済学およびそれをもとにした経済論争では,
次のような常識が是とされています。
- 消費が少ないと経済はうまくいかない。
需要が足りないならば需要を創出してでも,
消費を喚起する必要がある。 - 資本主義社会は,各人が己の利益を追求して
経済活動を行うことでうまくいく。 - 各世帯が使えるお金の量は,
主にその世帯の所得によって判断される。
(貯蓄残高は関係ない) - 各世帯がお金を貯めるのではなく
お金を使う傾向が強まる方が,
経済全体にとってはありがたい。
このように,経済学の常識の中には,
世間一般の感覚とは正反対に近いものが多数あります。
これほど一般的な感覚と対立する学問は
なかなかない
筆者は,一般的な感覚の方が
全て正しいと言っているのではありません。
上に挙げた「一般的な感覚」のうち,筆者は,
「将来に備えて,お金はしっかり貯めるべき」については,
その傾向が過度になることはまずいと結論づけています。
しかし,それ以外については,
一般的な感覚の方が正しいのではないかと
今でも思っています。
そう思いません?
だって,大量消費が環境問題,資源問題,食料問題を
悪化させるのは疑いようもないことでしょう?
お金を奪い合う社会よりは,譲り合う社会の方が,
絶対に住みやすいですよね。
各世帯が支出の計画を立てる時は,
所得の他に,貯蓄残高や借金残高を
必ず考慮に入れるはずです。
ここで述べた一般的な感覚は,筆者が知る限り,
経済学でも明確に否定されてはいません。
しかし一方で,経済学では,
これらの感覚と相反し,両立しそうにないことを
堂々と主張しているのです。
これほどまでに一般的な感覚と真っ向から対立する学問は,
他にないのではないかと思うほどです。
一般的な感覚が正しくないと思うなら,
明確に否定するのが学問の責任
現在,世界で通用する標準的な経済学は,
一般的な感覚とのずれを多数認識しながら,
見て見ぬふりをしてしまっています。
そして,そのずれは,環境問題,資源問題,食料問題等に
社会全体で取り組む態勢を整える上で障害になっています。
すなわち,それらの問題に社会全体で
取り組もうという動きがあっても,
「いや経済と両立しないから」
「それは経済が立ち直ってから」
と抵抗する勢力が根強いわけです。
一般的な感覚は,言い換えれば素人感覚です。
多くの人が陥る錯覚である可能性もあります。
しかし,それならそれで,
その感覚はこのような理由で
否定されるべきである
と明示することが学問の責務であると思います。
例えば,経済学は,大量消費を奨励するのであれば,
次に挙げる意見のうち少なくとも1つを,
正当なものとして主張しなければならないのでは
ないでしょうか。
- 人が物やサービスの消費量を好きなだけ増やしても,
環境問題・資源問題・食料問題等に
十分対応可能である。 - 人が物やサービスの消費量を増やしても,
環境問題・資源問題・食料問題等に対して,
実はそれほど影響がない。
- 環境問題・資源問題・食料問題等を犠牲にしてでも,
貧困問題を解決するために経済成長を実現すべきである。
このような意見を是としつつ
大量消費を奨励するのであれば,
一応筋は通っていると言えるでしょう。
しかし,これらのような意見を
肯定するでもなく否定するでもなく,
ただとにかく経済の改善のために
大量消費が望ましいと主張するのは,
学問として不十分かつ無責任 だと言わざるをえません。
そして実際に,現在の経済学は,
その不十分かつ無責任な状態に陥っていると思います。
この例で挙げた3つの意見のうち,
3つめの「貧困問題の解決を優先」については,
支持する人や支持するか否かで迷う人も多いと思います。
しかし筆者は,日本のような成熟経済の場合,
貧困問題を解決するのに経済成長は
ほとんど意味がないと考えているので,
迷わず不支持です。🛎️
その理由は,後述の姉妹サイトで
詳説しています。
経済学は,一般的な感覚とのずれを
直視する必要がある
経済学は一度,
多くの人が抱くであろう違和感を
素直な感覚で見直す必要があるでしょう。
そこで,当記事カテゴリーでは,
現在広く通用する経済学(主にマクロ経済学)に対して
筆者が抱く疑問や違和感を,
これでもかとばかりにほじくり返していきます。
なお,解決策を示すのは,
当ブログの守備範囲外としています。
筆者の考える解決策に興味を持っていただける方は,
ぜひ姉妹サイト<世界経済蘇生秘鑰>をご覧ください。🛎️
むしろそちらの方が本命。
経済学の常識に流されないように意識したい
もしも,経済学の研究を志す方が
当カテゴリーの記事を読まれ,
そこで示された違和感の中に,
「確かに変だ」
「自分もそう思っていた」
と賛同できるものがあったならば,
その違和感を大事にしていただきたいと思います。
日々の経済ニュース等を見ていると,🛎️
筆者はそれほど熱心に
日々の経済ニュースを
追っているわけではありませんが。
経済学に詳しい人ほど,経済学の常識に囚われて
素直な一般人の感覚を忘れていることが多いように
感じられます。
一方で,素直な感覚を持っている一般の人々は,
自分は経済に疎いからと,
経済論争に加わろうとしません。
世界中で行われている経済論争で,
一般人の感覚から大きくずれた
経済学の常識ばかりが幅を利かせるのは,
そのような背景があるためではないかと思います。
また,経済学を学ぶ過程で手に入れた
常識や感覚に誇りを持ちすぎて,
それに反する素直な感覚を持ち込むことが
素人っぽく感じられ,
無意識のうちに除外してしまっている人は
いないでしょうか。
もし心当たりのある人がいるならば,
ぜひその思い込みから抜け出して,
経済学を学ぶ前に正しいと信じていた素人感覚が
本当に間違っていたのかどうか,
一から検討し直してみることをおすすめします。
その素人感覚を,今ならすっきり否定できると言うなら
それでも良いでしょう。
しかし,経済学をある程度深く学んでから考えても
その素人感覚は正しいと思われ,
経済学の常識と相容れないままになるのであれば,
その齟齬を徹底的に追究していただきたいのです。
そこには,経済学の進化の余地が隠されているに
違いありません。
現在の経済学は,不可欠な視点を欠いている
ちなみに筆者は,経済学の潮流に大きな変化がない限り,
日本経済・世界経済を正常化に導くことは
決してできないと確信しています。
現在の経済学には,
絶対に欠いてはいけない視点が
欠けているからです。
筆者に言わせれば,
その欠落に気付かないまま経済運営を行っても,
うまくいくことはありえません。
うまくいかないことが,
大袈裟な言い方をするなら,
数学的に証明できてしまったと思っています。
大した数学を使っているわけではありません。
文字式の足し算と引き算が理解できる人なら
十分理解できるような証明です。
その程度の極めて単純な視点が盲点になっており,
そしてそれが致命的な欠陥になっていると
主張しているのです。
その視点については,繰り返しになって恐縮ですが,
姉妹サイト<世界経済蘇生秘鑰>で詳しく紹介しています。
速やかに要点を知るには,理論の中核部分を解説した
概説ページ がおすすめです。🛎️
短い文書ではありませんが,極めて平易です。
標準的な高校生くらいの知識と読解力でも
すんなり大筋を理解できると思います。
その視点さえ補えば,
日本のような成熟経済を正常化するための道筋が
多数見えてくるはずです。🛎️
もちろん全ての経済問題を
解決できるわけではないですが。
当カテゴリーの目的は,当カテゴリーの記事を
読んでいただくことではありません。
上記の視点を多くの人に触れさせることです。
当カテゴリーがその役に立つにしろ立たないにしろ,
上記の視点が世界中に認知され,
経済学および経済政策に反映されることにより,
貧困に起因する悲劇が激減する日が来ることを
心待ちにしています。
まとめ
改めて,当カテゴリー【経済学の違和感】の概要を
以下にまとめます。
この記事カテゴリーの概要
- 経済学ほど,一般的な感覚と対立する学問は
なかなかない。 - 学問は,一般的な感覚が正しくないと考えるなら,
理論的に明確に否定するのが責任。
現在の経済学は,その責任を果たせているとは言いがたい。 - 経済学に詳しい人ほど,経済学の常識に囚われて
素直な一般人の感覚を忘れていることが
多いように見受けられる。 - 経済学は一度,経済学を知らない素人の感覚が
本当に間違っているのかどうか,
一から検討し直してみる必要がある。
当カテゴリーに置かれた意見の中に,
読者様の思考の刺激になる部分が
少しでもあれば幸いです。